月別アーカイブ: 2015年7月

竪川SLAPP訴訟 第2回公判

「2.9竪川弾圧」後の、新たなSLAPP訴訟を許さない!
裁判長は、「立証責任は原告(「基金」)にある。」と言及しました。第2回公判では、その「基金(地方公務員災害補償基金)」からの立証がどのようなものか、注目となる公判です。ご参加を!

【竪川SLAPP訴訟 第2回公判】
8月7日(金)10時~東京地裁429号法廷(予定)

※最寄り駅は、東京メトロ霞ヶ関駅。A1出口が便利です。
※傍聴券の抽選は、公判開始の30分前に行われるため、時間に余裕をもって地裁前にお越し下さるようご留意ください。
※当日、集まって頂いたのに傍聴できなかった方々にも、公判後に当該と弁護団から報告を予定しています。(予定であるため、変更時はご容赦ください。ブログとTwitterで随時、告知します)

たくさんのひとがこの裁判に注目していることを示しましょう。平日昼間とあって都合がつきにくい方も多いとは思いますが、皆さんご参集ください!

竪川SLAPP訴訟第1回公判 傍聴レポート

大変遅くなりましたが、第1回公判の傍聴レポートです。

 6月16日、竪川SLAPP訴訟の第1回公判が行われました。
この竪川SLAPP訴訟とは、
https://tatekawaslapp.wordpress.com/2015/05/18/taekawa-slapp-point/
上記ブログでもお伝えしましたが、竪川弾圧の際に、地方公務員災害補償基金(以下、「基金」とする)が、「怪我をした」という江東区役所職員に対し、労災認定された治療費を、事実のない「怪我をさせた」側として園さんに支払いを要求し、拒否した園さんに裁判を起こしたものです。
竪川弾圧で業務妨害と訴えられ不当だと争ってきたこととは別に、今回新たに訴訟を起こされています。
けれど、この訴訟は、竪川弾圧→基金からの支払い請求→民事訴訟、と発展してきて、弾圧としては、ずっと続いている状態にあります。
そして、その背景にあるのは竪川での野宿者排除の問題です。

こういったことを、16日に地裁前で30分ほど、「まけたま!(まけてたまるか!竪川SLAPP訴訟をたたかう会)」と、傍聴に集まってくれたひとたちとで、アピール行動をしました。
すると、裁判所敷地内には、職員がわらわらと出て来て、過剰警備の様相を見せています。このような光景をみると、呆れるのと同時にとても悲しくなります。一体、彼らは何のために司法に関わる仕事をしているのでしょうか。
首を絞めて怪我をさせたなどとでっちあげられたことに不当だと訴えていること、また、竪川現地からも駆けつけて、国や行政が野宿する人々に大手を振って暴力をふるっているその不当性について訴えていること、これらのアピールを聞いてどのように感じているのでしょうか。

 さて、1回目の公判は、民事訴訟上、書類上のやりとりが主となるのでかなり簡潔となる、と聞いていたのですが、今後の裁判の争点を明確にした、濃い重要な内容でした。
 まず、法廷に現れた「基金」側は、代理人の弁護士1人のみ。そこで、公判冒頭から、園さんより、「首をしめ怪我をさせた」からと、支払いを要求し裁判をおこした「基金」から1人も法廷に出て来ずに、弁護士任せとはどういうことか、と指摘が続きました。
形式上は、代理人を立てているので問題はないということですが、「怪我をさせた」ということ自体を問うこの裁判において、訴訟を起こした側が出てこないとは不誠実である、と訴える園さんに対して、裁判長も頷く場面もあり、「不誠実、というのはわかりました」とも発言がありました。
そして、最終的には「代理人は持ち帰って、検討することを伝える様に」と、裁判長は、「基金」側に言いました。
裁判を起こしたものは顔をみせず、「基金」は要求する支払い額の数十倍の裁判費用を税金で賄い、精神的・経済的な負担を被告と「運動」側に与え、社会的な活動を停滞させたり困難に陥らせる、この構図こそがSLAPP(恫喝・嫌がらせ)訴訟であり、まさに法廷であからさまになった一面でした。

 次に、双方から裁判の書面の確認が行われました。ここで、「基金」が提出する書類を一つ一つ確認していく作業のなか、「基金」は、なんと園さんが職員の首を絞めているイラストを作成し、提示しました。しかし、裁判長が「これは?」とたずねると、「基金」が「それは証拠として提出しません」ということ。
その絵は被告席にも見えたため、被告側弁護人より「ちょっと待ってください、それは何ですか、見せてください」と追及すると、その絵が被告席噴飯、傍聴席にも見えるよう掲げられ、傍聴席も(静かに)騒然。
すかさず、園 さんの弁護人である川村弁護士より、「これコピーとりたいので証拠開示してください」と求めると、裁判長からは「証拠になっていないので残らない」「それは訴訟外でやってください。証拠になってないので心証には影響しませんから」との弁。
しかし、いくら証拠として提出しないとは言え、印象操作?と疑いたくなるような、唖然とする場面でした。

 竪川SLAPP訴訟をたたかう側からは、川村弁護士が「我々は刑事事件でも弁護人をつとめたが、刑事事件では、竪川河川敷での野宿者への強制排除という行政の不当な行為ついて問われていない。この裁判は、あらためてこの点が問われるものである。」と、この裁判の意味、背景にあるものが何かという本質をつく主張がされました。

 続いて、園さんの意見陳述です。
「私は何もしていない。 よって金額を払う気も必要性も一切ない。江東区が竪野宿者を暴力排除し、
その抗議に来た私達をさらに暴力排除しただけである。偽の怪我をでっち上げた江東区と、その肩を持つ「地方公務員災害補償基金」に、全て論証することを要求する。
 3年前の区役所で抗議し不当逮捕された私に、「基金」は「逮捕時に江東区職員に怪我をさせたため、治療費を払え」と要求してきた。基金と江東区は、職員が「頚椎捻挫になった」と主張し、労災認定としているが、その頸椎捻挫の原因を、私が「前方から両手で首をしめた」 からだとしている。区役所の抗議の場で、両手両足をつかまれて暴力的にはじき出されたのは私の方。「両手で首をしめた」とは全くのデタラメだ。
 原告は「基金」だが、労災の原因となる行為を首をしめたと加害をつくりあげ、支払いをさせようとしているのは、江東区にほかならない。基金が裁判で請求している金額は少額で、。裁判にかかる費用はこの額を優に上回る事になる。
支払いよりも嫌がらせが目的だ。この構図は、近年非常に問題となっている、言論・運動を萎縮させるために、行政権力が民間人を訴える「SLAPP訴訟」に当たるものだ。裁判を、社会運動への妨害の道具として使うこの裁判のあり方自体を私達は絶対に許さない。
 3年前の2012年2月と12月、竪川河川敷公園では野宿者の強制排除が2度も行われた。行政代執行というこの制度は、区役所の職員自身が野宿者の小屋に手をかけて破壊し、すべてを持ち去っていこうとするものだった。
あれから3年。貧者を排除し、まちを富裕者のために作り替える動きがオリンピックを契機として東京の至る所で進んでいる。今回の裁判の背景にあるのは、この竪川河川敷公園での野宿者排除の問題だ。
よって一審の有罪判決も不当であり、裁判官には江東区と「基金」の不当性こそを問題化することを要求する。」
 ひとつの不当逮捕をきっかけに延々と弾圧が続く問題性、この裁判の不当性、そして問題の本質である野宿者排除が、現在に至るまで続いて いるのだということが、せつせつと訴えられました。

 そして、次回公判について、話がされた時です。
「基金」が「首をしめた」という事実について、本来なら本日、そうでなくとも次回公判にいたる早い段階で証拠が提出されるべきではという被告人弁護側の主張に対し、裁判長より「次回には全ての証拠を用意するように」としたうえで、
「肝は、事実があったかどうか。立証責任は原告(「基金」)にある。」
と言及がなされました!
治療費の請求という表面上の問題にされずに、この訴訟問題の本質を問うという姿勢が打ち出されたということです。次回公判、「基金」の立証がされうるのか、ますます目が離せない展開となりました。

 最後に、今回の法廷は民事訴訟では通常は使用されない、過剰警備で知られている429法廷が指定されていました。このことに、大口弁護士より、質問と429法廷の使用の改善が求められました。
この際、被告人弁護士と裁判長の応答のなかで、こんな言葉がありました。
裁判長「法廷というこの場を作るのは傍聴人も含めてだと思っています。」「もちろん傍聴席のみなさんも含めてです」
これは、「騒然とする」ことが、裁判の(スムーズな)運営にかかわる、という意図なのでしょう。しかし、この言葉こそ、静かなどよめきも、大いなるどよめきも、またそれ以外の表現も、そこでひろげられる意義申し立て、怒り、嘆き、苦しみ、悲しみ、はたまたかちとった喜び、これらはまさに裁判闘争のその場を形成する、ひとりひとりの声として、当然なのだということを示しているように思います。傍聴するひとびともその裁判に主体的にかかわっているという裁判長の言葉に、そのように考えずにいられません。
今回、短い期間で周知が行き届かなかったところもありましたが、それでも当日は傍聴席数を上回るひとが集まりました。それだけ、この問題に関心を寄せるひとが多い、という点でも、通常の大法廷が望まれます。

 竪川SLAPP訴訟、第2回公判は8月7日(金)10時から、429法廷(予定)です。たくさんのひとがこの裁判に注目していることを示しましょう。平日昼間とあって都合がつきにくい方も多いとは思いますが、皆さんご参集ください!